まずは皆さんがマーキュリアインベストメントに参画した経緯や動機について教えてください。
【遠藤】私は中国の清華大学に留学していたので、卒業後そのまま三井住友銀行の現地採用で入行しました。広州や北京でM&A案件に携わるうちに、より企業に近い立場から関わりたい、という願望が膨らんでPwCへ転職しました。そしてPwCの一員として海外投資に携わる中で、マーキュリアインベストメントと協働する機会を得て、その実績や魅力に心を奪われて、2017年に入社をしました。
【佐野】私は新卒入社のモルガン・スタンレーMUFG証券で日本企業の株式調査業務を担当することになったのですが、私も遠藤と同様、よりお客様である企業に近い立場で携わりたいと考えて、PwCに転職。PwCで国内外のM&A案件に各種関わり、日々お客様と接する中で、自らプレイヤーとなり投資実行、投資後のPMI業務に携わりたいという思いを強くしていきました。遠藤が一足先にMercuriaに入社したこともありますが、私自身、「さらに企業に近い場で、ともに成果を目指したい」との気持ちが強まり、またPE業界の中でもクロスボーダーという観点で強みを有するMercuriaであれば自身の可能性も広がるのではと思い2018年に入社をしました。
皆さんそれぞれ、現在担当するお仕事について教えてください。
【遠藤】私は主に海外での投資案件を担当しています。もちろん、私だけがクロスボーダーを担当しているわけではありませんが、とにかく当社はクロスボーダーに関わる仕事が豊富にありますから、中国や東南アジア、あるいは欧米などを飛び回っています。小山も言っていたように、Mercuriaでは海外での活動もまた東京の私たちがコミットしていますので、海外の企業人と向き合い、そこから学びを得て成長する機会もまた豊富にあるんです。しかも、創設時からMercuriaは一心同体的なつながりに大きな価値があるのだということを意識して、それを行動に反映させてきましたから、結びつきの深さや太さという面でも他者とは大きく違うはずです。ある意味、私の言ったことが今回のコロナショックで証明されているようにも思います。残念ですが渡航が許されない中、オンラインツールを通じたコミュニケーションしかできない状況が長く続いています。しかしそれでも絆は決して薄れていない実感があるんです。
【佐野】マスク交流の10倍返しの話なんか、まさにそうですよね?
【遠藤】そうそう。いや、実は新型コロナウイルスの感染が中国国内で広がっていた時期に、私の方から先方にマスクと一緒にエールを送っていたんですが、その後、日本でも感染拡大の様相が強まってくると、今度は中国からマスクが送られてきたんです。しかも、私たちが送った数の10倍以上も。「事業に寄り添うということは、関わる人間一人ひとりとの縁を大事にするということ」という、見方によっては叙情的な思想というのが、しっかりと国を超えた絆につながっている。これには本当にやりがいを感じますし、意欲がかき立てられます。
【佐野】私は現在、国内のハンズオン投資を中心に活動しており、静岡県の投資先企業のPMIに続き、今は岐阜県に常駐しハンズオンプロセスに携わっているところなんです。もちろんPMIのフェーズは、様々な課題を一つずつ解決していくというとても地道な仕事ですが、前職でFA業務をしていた時から、「ソーシングからエグゼキューション、その後のPMI業務まで携わり、投資先の企業の方々のお役に立ちたい」と願っていたので、このフェーズをむしろ喜んで担っているんです。そもそも、企業の経営者や従業員の方々と日々向き合い協業していく機会自体が私にとっては喜びですし。一方で、国内ハンズオン投資以外の案件に関わる機会もいただけており、他案件からの刺激も受けています。
【遠藤】そうだよね。佐野も日本でそういう仕事を忙しくこなしながら、同時に中国の状況のウォッチングもしているし、そういう情報は、私だけに限らず、社員相互に横連携で共有する習慣も当たり前に浸透しています。
【佐野】変な言い方かもしれないけれど、おそろしくみんな仲が良いですよね、ここは(笑)。
最後にMercuriaへの関心を強めている読者にメッセージをお願いします。
【遠藤】私自身がMercuriaに入ってみて気づいた「大切なこと」について話します。それは「見る力も大事だけれど、見られる力も大事」という気づき。典型例が中国の某ユニコーン企業で起きたエピソードです。豊島と小山が10年以上前に投資した会社で役員を務めていた方が、実はその後このユニコーン企業の創業者になっていて、その投資スキームに向こうから「ぜひMercuriaも加わって欲しい」とおしゃってくださったんです。要するに、我々はともすると投資家の目線で企業を「見る」ことにばかり集中しがちだけれども、実際に組織を動かし、事業を動かして、利益を生み出すのは企業のかたがた。だから、本当は我々のほうこそが「見られる」立場だという自覚を持ち、「見られて、信用されるに足る存在」になろうと努力しなければいけない。当然、相手はPEファンドとしての私たちが背負っている会社の看板やお金に目を向けるだろうけれども、それだけを見ているわけではないということ。そして、人として見られた結果、信用を手にしたならば、その信用が新たなチャンスを運んでくるということ。だから背筋を伸ばして、企業と向き合い、真摯にこの仕事に関わってくれる人と私は一緒に信用を作っていきたい。そう考えています。それはMercuriaだけの問題ではなく、PEファンドという業界の未来にもつながることだと思いますし、そう考えたら嬉しくなってくるような人がMercuriaには向いている気がします。
【佐野】ファンドに関わる業務は山のようにあるし、一気通貫で担当するとなれば、知らなければいけない、対処しなければならない事柄も無数にあり、特にPMIの局面では企業の経営陣や現場の皆さんと向き合った心からのコミュニケーションも問われてくる。でも、ハードルが上がれば上がるほど燃える人っているわけじゃないですか。Mercuriaは豊島を筆頭にそういう人の集合体です(笑)。だから他のPEがやらないようなチャレンジングな投資にも打って出るし、そういうチャレンジを全員が面白がりながら進めていく。井戸端会議が多い会社だと思いますが、その井戸端会議にぜひ多くの意欲あるかたたちにも加わって欲しいと願っています。