特別インタビュー ベインキャピタル 株式会社BREXA Holdings(旧アウトソーシンググループ) 執行役員 CTrO 戸村友宣 氏 (2025.8)

ベインキャピタルが世界に先駆け、日本オフィス独自のプログラムとして開始した経営人材育成プログラム、「ベインキャピタル・ジャパン・エグゼクティブ・プログラム」(以下、BCEP)。
ベインキャピタル流のバリューアップ手法を実践的に身につけながら、投資先に派遣する取り組みで、これまでに複数名が投資先への転籍を実現している。
今回インタビューしたのは、BREXA Holdingsで執行役員CTrOを務める戸村友宣氏。BCEPの魅力や、自身のキャリアにおける位置付けについて話を伺った。
企業変革を実行していくプロ経営者を目指して個人のキャリアを加速させるBCEP
戸村様のこれまでのご経歴について教えてください。
新卒でボストンコンサルティンググループに入社し、10年間勤務しました。幅広い業界・テーマに関わりましたが、中でも、ヘルスケア領域を中心に、中長期戦略立案、営業・マーケティング戦略、組織変革といったプロジェクトを多く経験しました。
その後は、バイオ関連試薬・機器、診断薬の幅広い事業を展開する外資系の事業会社、サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパンへ移り、執行役員兼コーポレートストラテジー&マーケティング シニアディレクターを務めました。
ベインキャピタルへはBCEPプログラムのメンバーとして2023年10月に参画し、2025年1月にBREXA Holdings(旧 アウトソーシンググループ)へ転籍しました。
BREXA Holdingsは売上 約8,000億円、社員数 約12万人のグローバル人材企業で、
製造派遣、技術派遣を主な事業の柱とし、日本・アジア・欧州で事業を展開しています。また、今年7月1日にBREXA(ブレクサ)に社名変更をしています。
BREXAという社名は、「すべての『はたらく』に境界をなくし、より多くの人に、より多くの可能性を」というパーパスのもと、境界を壊し(Break)人々の能力(Ability)を拡張(Expand)する、という思いに由来しています。
ベインキャピタルに入社されたきっかけ、理由は何でしたか。
BCEPのプログラムが非常に魅力的であったことが一番の理由です。ベインキャピタルはグローバル規模のファンドであり、投資先のバリューアップのノウハウも豊富です。他のファンドに比べても、現場に入り込んで、企業価値の向上を実現させていくチームを持っているということに加え、BCEPプログラムの仕組みが私自身のキャリアの志向性とマッチしたことで、入社を決めました。
BCEPのどんなところに魅力を感じたのですか。
私はコンサル時代に事業会社への出向経験があり、現場に入り込んだコンサルティングアプローチを重視していたため、事業会社のマネジメントキャリアへの関心を高く持っていました。
その思いで2社目は事業会社に入社し、日本法人の戦略構築の統括やデジタルマーケティング、広報と、流通マネジメントなど、幅広い領域を管掌し非常に有意義な経験を積むことができました。ただ、外資系の事業会社であったことで、ヘッドクォーターではないゆえの限界を感じることがあったのも事実です。制約がなく、戦略の自由度が高い環境で、大胆な経営変革に取り組めるBCEPに大きな魅力を感じました。
また、個人のキャリア形成という観点も重要でした。新卒でコンサル会社に入社したキャリアや、30代後半という当時の年齢を考えると、日本の事業会社、それも大企業でマネジメントのポジションを得るハードルは高かったですが、ベインキャピタルに参画し、投資先でマネジメント経験を積むことで、プロ経営者へのキャリアを加速させることができると考えました。
BCEPで投資家視点を獲得し、企業価値向上に深くコミットする
ベインキャピタルに参画されてからBREXA Holdingsに転籍されるまでの流れを教えてください。
2023年10月に入社した直後、最初に担当した投資先企業はSI&C(旧システム情報)でした。投資直後のタイミングということもあり、ポートフォリオグループのメンバーとして、バリューアッププランの設計段階から関与しました。
2社目に担当したのがBREXA(当時は旧社名)です。2024年1月から本格的に関わるようになり、さまざまな経営変革を進め、2024年7月に出向、2025年1月に正式に転籍をしました。
ですから、BCEPとしてベインキャピタルに籍を置いていたのは1年3カ月ほど。これは、BCEPのメンバーの中では最短のケースです。
転籍先はどのように決まるのですか。また、BREXA Holdingsでの戸村様の役割について教えてください。
基本的には本人の希望です。私の場合、経営陣・社員の皆様の人柄や、事業のポテンシャルに強い魅力を感じ、転籍を希望しました。ここ15年ほどで急激なスピードで売上を伸ばしている会社でもあり、その成長に自分もしっかりコミットしていきたいと考えました。
現在は、全社横断の経営アジェンダや、各事業を成長させる上で重要なプロジェクトをハンズオンでリードする役割を担っています。組織変革、営業改革、プライシング、経費削減、業務改善など、業務範囲は多岐にわたります。
BCEPをご経験されて、良かったことは何ですか。
やはり「投資家のマインドセットや思考を経験できる」という点が最も大きな利点であると思います。ベインキャピタルでの日常業務を通して、投資家たちが何を考えていて、何を重視しているのか、という視点が身につきますし、それは投資先に転籍した後も大いに役に立ちます。
また、ベインキャピタルは、投資後に企業価値を向上させるためのプランを、かなり高い解像度で準備します。この解像度の高さは、他のファンドと比較しても随一のものであると確信しています。投資先の経営者と議論をしながら当事者として深くコミットしていくというスタイルです。
ポートフォリオグループで企業変革に携わるのと、BCEPのメンバーとして参画するのとでは、何が違うのでしょうか。
一番の違いは、立ち位置にあります。ポートフォリオグループのメンバーは基本的には複数の案件を兼務しますので、各投資先を俯瞰する立場になりますが、BCEPは、転籍を前提として、1社に深く関与します。
大きく分けると、投資家サイドでキャリアを積みたいのか、投資家視点を身につけた上でプロ経営者としてキャリアを積みたいのか。これは本人の志向性の違いで、選択してもらえればいいと思います。
戸村様はコンサルでのご経験が長いですが、コンサルとの違いを感じるのはどんなところですか。
最も大きく違うのは、当事者として結果責任を負う、という点です。
企業におけるトランスフォーメーションでは、一筋縄でいかないことも多くあります。思ってもみなかったような方向に行ってしまうことも少なくありませんし、泥臭い部分や生々しい部分もたくさんある。ただし企業経営は、うまくいくこともいかないことも含めて、すべての取り組みがつながり、業績や企業価値という形で数値で見えてくるものですから、そのすべてにコミットできるというのは、BCEPならではの経験だと思います。
コンサルももちろん企業変革にコミットしますが、あくまでも第三者の立場です。コミットメントの深さや、覚悟の強さというのは、大きな違いを感じる部分です。
現在の役割を全うしながら広く求められる経営人材に
戸村様ご自身のキャリアにおける今後の展望はありますか。
現段階では、具体的に考えている将来像はありません。30代を過ごすうちにキャリアに対する考え方が変わり、その時々で役割を全うし、価値を創造して結果を出すことが、自然と次の仕事につながっていくものだと思うようになりました。
ベストを尽くして、目先の仕事をしっかりやり遂げるというところを一番大事にしています。
BREXAとしては、数年後の再上場を見据えてさまざまな改革に取り組んでいます。マネジメントメンバーの一員として、非常に濃密な経験を積ませていただいているので、引き続きBREXAグループの持続的な成長に貢献していきたいです。
BCEPに求められるスキルや、適性はありますか。
コンサルファームなどでの一定以上の経験があり、ファクトベースの意思決定や戦略的思考、分析スキルなどを備えていることは前提条件となるでしょう。
特にトランスフォーメーションやPMIなどの変革系プロジェクトに携わった経験がある方は、プロセス理解と実行力の点で大きな強みとなります。
また、事業会社での経験も重視され、マネジメント視点で事業全体を俯瞰し、勘所を見極めて推進する力が求められます。
それに加えて、リーダーシップやコミュニケーション力、マチュリティなどのヒューマンスキルが重要な要素になるのは間違いありません。経営層から現場まで多様な立場の人々と議論し、自らが推進力となって周りを巻き込んでいく力が求められます。
謙虚さや学び続ける姿勢などを持ち、多角的な視点に立って対話や議論ができる方が向いていると思います。
最後に、BCEPに関心を持つ候補者に向けて一言メッセージをお願いします。
BCEPは、ビジネスパーソンとしての成長を加速できる稀有なプログラムです。
投資家のマインドセットを身につけながら、ベインキャピタルが持つ、多種多様な企業の変革ノウハウを獲得し、自分の引き出しを増やすことができるのは大きな魅力です。
日本企業を取り巻く市場環境が大きく変化する中で、MBO案件やカーブアウト案件は増加傾向にあります。そういった動きの中で、当事者として企業変革を経験しているBCEPメンバーのような人材の需要は間違いなく高まるでしょう。
興味のある方には、ぜひ積極的に応募していただきたいと思います。
プロフィール

東京大学 大学院卒業後、2010年に新卒でボストンコンサルティンググループに入社。プリンシパルとして、製薬・医療機器業界を中心に戦略策定から実行支援まで数多くのプロジェクトに従事。2020年にサーモフィッシャーサイエンティフィックジャパンに入社し、執行役員コーポレートストラテジー&マーケティング シニアディレクターを務めたのち、2023年10月にベインキャピタルにBCEPとして参画。2025年1月にBREXA Holdingsへと転籍し、現職。
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