プライベート・エクイティ トップインタビュー シーヴィーシー・アジア・パシフィックジャパン株式会社 代表取締役社長 パートナー 赤池 敦史 氏/シニア マネージング ディレクター 杦山 幸功 氏/ディレクター 小原 正憲 氏 (2015.8)

具体的な実務レベルの取り組み方でも、独自の発想や手法を駆使するのがCVCだという。
そこで、常に第一線でディールをリードしてきた小原正憲氏に、同社の流儀と強みについて話を聞いた。
そして、今後参画してくるジュニア層への期待などについてもストレートに語ってもらった。
CVCにおいて最前線で活躍されてきた小原さんには、具体的なお仕事についてお話を聞きたいと思っています。これまで携わった案件で印象深いものがあれば教えてください。
【小原】過去9年間で複数の投資案件に関わってきましたが、そのすべてで様々な学びを得ましたし、強いインパクトをもって成長させてもらったと思っています。例えば、入社当初に関わることができた大型案件では、経営者の世代交代が行われることで、いかに企業が大きく変わり、人が変わっていくものなのかをリアルに感じ取ることが出来る貴重な経験を積むことができました。
また、近年エグジットさせて頂いた案件では、デューディリジェンスを含めて非常にタフな投資実行プロセスを乗り越えながら、役職員にご出資頂くMBO型の案件として設計させていただいたのですが、最短期間での株式公開へと到達することがかないました。
強力なマネジメントチームによって企業が生まれ変わり、短期間のうちに劇的な勢いで実績を上げていく様も間近で見ることができたことは大きな財産になっていると感じます。
どの案件にも共通しているのは、私たちはマネジメントチームに最も近いパートナーとして、それぞれの会社のダイナミックな変革期に関わっていくことで成長できたということです。会社が変わる、と言葉でいうのは簡単ですが、そこには理屈だけでは表現できないリアルな変化があります。企業の変革期にはもの凄い勢いで人が変わり、組織が変わり、ビジネスが変わっていく。そこに関与させてもらえる醍醐味は、他にはないと思っています。
PEに携わる者にとって、達成感が大きいのはどのような時でしょうか?
【小原】CVCではソーシングからエグゼキューション、モニタリングに至るまですべてに携わることが可能ですから、局面ごとにタフな経験をするものの、その局面に応じて、いろいろな意味で大きな達成感を感じることができます。例えば魅力的な企業への投資実行が決まった時などは、やはり非常に大きな喜びとモチベーションの高まりを感じることができます。
投資先のオリジネーションなどは「100回アプローチして、その内の数回でも決定できれば優秀」と言えるくらい、非常に確率の低いトライを繰り返します。うまくいかなくても心が折れてしまわないようなメンタル面でのタフネスは必須だと思いますが、だからこそその試練を乗り越えた時には喜びもひとしおです。
ではCVCの独自の投資スタイルや特徴があれば教えて下さい。
【小原】杦山も話していたと思いますが、CVCの特徴のひとつは「少数で動く」、「少数で動かす」点にあるかと思います。したがって、「自分たちが経営陣にとってかわって変革を実現する」というスタイルではなく、むしろ「我々は黒子であるべき」というフィロソフィーがここにはありますし、私もこれに強く共感しています。
ピュアにPEのファンドマネジャーとしてディールに関わりますから、投資先企業の経営トップとは最初から最後までご一緒できます。それだけでも非常に貴重な学びを得ることが出来ますが、そのうえでトップレベルのプロフェッショナル、例えばバンカーやコンサルタントや弁護士の方々と協業していきますから、ここでもまた新たな成長へとつながる学びを得ることが可能です。
「自分たちが乗り込んで、会社組織も経営構造も自分たちで変革させる」というアプローチも1つの手法なのでしょうけれど、CVCは違います。会社を変えるのは、その会社の人たちであるべきだし、その力を引き出すお手伝いをすればいい。それが私たちのフィロソフィーであり行動規範と考えております。
経験できることが幅広い、ということは必要とされるスキルの幅もまた広いということになりますね?
【小原】そうです。今後、案件の増加に応じてジュニア層の参画を求めていくことになると思いますが、そういう層には「今までにやってきたことだけで、すべて対応できる」場ではないことは知っておいていただきたいし、逆に「得意分野はきちんと持っていて欲しいけれども、それがCVCで必要となる力の内の一部でも構わない」と考えていることも理解して欲しいと思います。
そうした得意分野をレバレッジさせてこの仕事で必要となる広範な能力をデベロップしてくれればいい。それはジュニア層に限らず、我々にも言えます。常にスキルや能力のデベロップを求められるのがこの仕事の宿命だと思います。ですので、わからないことと遭遇した時に、立ち止まってしまう人ではなく、柔軟に考えて次の一歩を自ら踏み出せるメンタリティーが必須だと思います。
では、最後に小原さんがどんなかたと今後一緒に働きたいと思っているか、教えてください。
【小原】今申し上げた通り、本当の意味での問題解決能力を備えていて柔軟に物事と向き合い、立ち止まることなくチャレンジしていく姿勢を持っている人。そして、これも非常に重要なのですが、メンタル面でのタフネスを備えている人です。
広範な業務プロセスの中で、多種多様な課題に直面していきますので、ひとつの結果に喜びすぎて油断をしてしまったり、落ち込みすぎてストレスを抱え込んでしまうようだと厳しいと思います。こうしたタフで優秀な方々とぜひとも一緒に働きたいと思いますし、CVCでしか得られない醍醐味を分かち合っていきたいと思っています。
プロフィール

大学卒業後、中央青山監査法人に入社。公認会計士業務に携わった後、AIGジャパン・パートナーズ・インクを経て、2006年にCVCアジア・パシフィック・ジャパン・リミテッド(現CVCアジア・パシフィック ジャパン)に入社。過去9年間に複数の大型案件に携わって成果を上げ、同社の成長に貢献し続けている。
プロフィール

日米の大学院を修了した後、プライスウォーターハウスクーパースの米国オフィスに入社。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのジャパンオフィスで、主に半導体や化学、エレクトロニクス業界を対象に、経営戦略の再構築および新規事業開拓等のコンサルティングを担当。2002年、アドバンテッジパートナーズに参画すると、テレコムおよび製造業等複数の案件を担い、シニアパートナーにも就任。10年以上に渡り同社の成長を牽引した。そして2015年5月、シーヴィーシー・アジア・パシフィック ジャパンに参画。代表取締役社長に就任した。

大学院修了後、P&Gファー・イースト・インクに入社。約6年間の在籍期間中にロジスティクス部門、ファイナンス部門、マーケティング部門と幅広い職務を担った。その後GEインターナショナルインク、GEリアルエステートにてM&A関連業務を担い、2006年にはアドバンテッジパートナーズへ参画。複数の案件を通じて日本におけるPEの信頼性獲得にも貢献してきた。そして2015年3月、CVCアジア・パシフィック ジャパンに参画。シニア マネージング ディレクターとして新たな一歩を踏み出している。
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