プライベート・エクイティ トップインタビュー シーヴィーシー・アジア・パシフィックジャパン株式会社 代表取締役社長 パートナー 赤池 敦史 氏/シニア マネージング ディレクター 杦山 幸功 氏/ディレクター 小原 正憲 氏 (2015.8)


杦山 幸功 氏

シニア マネージング ディレクター

グローバル・トップクラスの外資系企業で幾多の分野・部門に携わった後、PEの世界に足を踏み入れ、日本ではその草分けとなって市場を切り拓いてきたのが杦山幸功氏。
その杦山氏が赤池氏とほぼ同時期にCVCアジア・パシフィック ジャパンに参画した。
その動機とは何だったのか? CVCアジア・パシフィック ジャパンに秘められている可能性や強みとは何なのか? そして、ここではどのような人材が活躍するのか?
……これらの興味・疑問に答えてくれた。

独特の経歴をお持ちの杦山さんですので、まずはCVCアジア・パシフィック ジャパン(以下、CVC)参画までの経緯を教えていただけますか?

【杦山】新卒で入社したP&Gでは、実に様々な業務に触れることが出来ました。ロジスティックス部門において日本の物流改革をリードし、アジアでの紙製品の生産計画を担った後、今度は大手メーカーとのコラボレーション事業でマーケティングに携わり、最後はファイナンス部門で取引先との取引制度改革や与信管理に関わる現場を経験してきました。

これらすべての体験が価値あるものでしたから、私は今も大切にしているのですが、中でも特に最後に経験したファイナンス部門で、取引先の倒産対応に関わる中で、取引先がM&Aにより再生していく過程を見たことが、M&Aに関わる転機となり、最初の転職へとつながっていきました。情報を収集する中で、世界で最もM&Aを実践している企業であったGEグループへの転職を決意したわけです。

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GEで過ごした期間の後半は、リアルエステートに軸足を置き、これに関わるM&A案件が主要ミッションとなっていたのですが、そんな中、あるホテルのM&A案件に携わることになりました。もちろん不動産分野の資産を吟味する立場にいたわけですけれども、ホテル事業はオペレーションもまた重要な事業資産としてついてきます。そこで、オペレーション分野に精通する共同投資家として出会ったのがアドバンテッジパートナーズでした。

当時はまだPEという機能や手法が世の中的にもメジャーになっていなかったので、私自身も勉強させてもらう機会となり、理解していく内に、その可能性の大きさに魅せられていったんです。そうして8年間をアドバンテッジパートナーズですごし、PEの仕事を学び、なおかつ、あまり知られていなかったPEの価値を世の中に伝えていく役目も果たしてきた自負を持っています。

今回、CVCに参画されたわけですが、何か思うところはあったのでしょうか?

【杦山】前職を辞した後、家業の経営支援を行っていたのですが、一旦区切りがついたので、改めて、今後のキャリアを考えてみました。「日本を、日本の企業を、元気にしたい」という思いは以前から変わっていませんが、これからはもっと世界に開かれた環境でその夢を追いかけてみたいと考えたんです。

ですから、グローバルで強みを発揮しているPEファンドに着目していきました。中でもCVCグループを選んだ理由は、グローバルでありながらもローカルを尊重している、という独特の思想とガバナンスです。せっかくグローバルに開かれた組織のメンバーになっても、そこで自分の意見を主張できなかったり、日本に貢献できる行動になかなか共感してもらえないような環境では意味がありません。CVCは世界の老舗でありながら、非常にローカルの独自性を大切にする組織でした。だから迷うことなく、ここのメンバーになったんです。

では実際に参画してみて、あらためて感じているCVCらしさのようなものがあれば、ぜひ教えてください。

【杦山】一言で表現するならば「オネスト」ですね。オフィス内での議論の活発さや、グローバルメンバーとのつながりの密接さについては、とにかく皆が「オネストに仕事に取り組もう、人とつながっていこう」としているのがCVCです。すべてのメンバーが正直に考えや思いや自分自身のことを開示するカルチャーが根付いていますから、本当に活発に意見を交わし合っています。

そして、そういうオネストなカルチャーがあるからこそだと思うのですが、個性派が揃ってもいます。自分自身や仕事の進め方を型にはめ込むような文化ではないからこそ、のびのびと言いたいことが言える。そうしているから、個々の特徴もはっきり現れてくるし、だからこそ議論をする価値というものも高まってくる。良い循環が常に作動し、健全な場となっていることを私は大いに喜んでいます。

杦山さんが考える「CVCで活躍できる人」とは、どのような人なのでしょう? 当然、オネストな人間性は必要ということになると思いますが。

【杦山】そうですね。やはり、オープンマインドなチームに入るわけですから、自分の考えを正直に表現できる人こそが向いていると思います。ただ、そうなると理屈では説明のつかない部分も多くなりますから、関心がわいたのならば、まずは訪れて、ここにいる人間に会ってみてほしいと思います。そうしてフィットする感覚を味わえたのならば、CVCのカルチャーにも難なくなじんでいけるはずです。

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もちろん求められる知識やスキルの水準は高レベルですが、例えば投資銀行やFAS、コンサルティングファームの出身者でなければ受け容れない、というところではありません。私を見ればわかるはずです。モデルを作れない人は駄目なのか、という質問も時々受けますが、ある程度のレベルで事業計画等の作成に携わったことのある人であれば、CVCにはいくつもスタンダードなひな形がありますから、そこから学び取ればいいと思います。

それに、ここにいるメンバーやグローバルには様々な経験や知識・知恵の持ち主が揃っています。どんどん吸い取っていこう、と考える人ならば必ず早期に成長できます。私としては核となるCVCのスタイルや価値観に共鳴してくれる人が参画して、私の議論の相手となり、ライバルとなってくれることを心待ちにしています。おそらく同じ気持ちを、ここにいる全員が抱えているはずです。

では、最後に杦山さんご自身の今後の夢、ビジョンなどについて教えてください。

【杦山】もうすでに気づいているかたも多いと思いますが、日本の製品やサービスが備えるクオリティの確かさは、世界的に非常に高く評価をされています。ところが日本の産業界の構造はどうかというと、今もなおイビツな状態です。この長所と短所の間にあるギャップを埋めることさえできれば、日本は元気になる。私はそう確信しています。

そして、この「埋める役割」をPEは果たしていけると信じています。ですから、私としては自分自身が変革の触媒のような存在、チェンジ・カタリスト的な存在となって貢献していきたいと思っています。そう考えたからこそCVCに参画をしました。ここにある絶好のプラットフォームを存分に活用させてもらい、夢をかなえたいと願っています。


小原 正憲 氏 ディレクター  インタビューへ続く

プロフィール


杦山 幸功 氏

シニア マネージング ディレクター

大学院修了後、P&Gファー・イースト・インクに入社。約6年間の在籍期間中にロジスティクス部門、ファイナンス部門、マーケティング部門と幅広い職務を担った。その後GEインターナショナルインク、GEリアルエステートにてM&A関連業務を担い、2006年にはアドバンテッジパートナーズへ参画。複数の案件を通じて日本におけるPEの信頼性獲得にも貢献してきた。そして2015年3月、CVCアジア・パシフィック ジャパンに参画。シニア マネージング ディレクターとして新たな一歩を踏み出している。

プロフィール


赤池 敦史 氏

代表取締役社長 パートナー

東京大学工学部卒業 同大学院地球システム工学専攻修了(工学修士) コロラド・スクール・オブ・マインズMining and Earth Systems Engineering(鉱山工学博士課程)修了(Ph.D.)

日米の大学院を修了した後、プライスウォーターハウスクーパースの米国オフィスに入社。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのジャパンオフィスで、主に半導体や化学、エレクトロニクス業界を対象に、経営戦略の再構築および新規事業開拓等のコンサルティングを担当。2002年、アドバンテッジパートナーズに参画すると、テレコムおよび製造業等複数の案件を担い、シニアパートナーにも就任。10年以上に渡り同社の成長を牽引した。そして2015年5月、シーヴィーシー・アジア・パシフィック ジャパンに参画。代表取締役社長に就任した。


小原 正憲 氏

ディレクター

大学卒業後、中央青山監査法人に入社。公認会計士業務に携わった後、AIGジャパン・パートナーズ・インクを経て、2006年にCVCアジア・パシフィック・ジャパン・リミテッド(現CVCアジア・パシフィック ジャパン)に入社。過去9年間に複数の大型案件に携わって成果を上げ、同社の成長に貢献し続けている。

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