プライベート・エクイティ トップインタビュー CLSAキャピタルパートナーズジャパン株式会社 マネージングディレクター / 日本総責任者 清塚 徳 氏/マネージングディレクター 中 俊二 氏/ディレクター 皆川 亮一郎 氏/シニアバイスプレジデント 前田 泰典 氏 (2014.06)

中 俊二 氏 マネージングディレクター

清塚 徳 氏とともにCLSAキャピタルパートナーズジャパンの中枢を担い、支えているマネージングディレクターが中俊二氏である。
そこで中氏には特にCLSAキャピタルパートナーズジャパンという集団の組織構造やカルチャーなどについて質問をした。そして、「どういう人材がこの集団で力を発揮するのか」についても、思いや考えを語ってもらった。

まずは中さんご自身が、なぜCLSAキャピタルパートナーズジャパン(以下、CLSA)への参画を決めたのか、教えてください。

【中】私は三井住友フィナンシャルグループの一員として銀行と証券でM&Aアドバイザリー業務やコマーシャルバンキング業務などを担当してきました。企業の経営をバックアップし、日本に活気を提供していける仕事にやりがいを感じていたんです。そんな中、この日本でも徐々にPE業界が活発に動くようになり、魅力を感じるようになりました。

大手PEファンドではセオリーやノウハウは既に確立されているだろうし、そこで自分が任せられる領域も限定的なのではないかと思うようになりました。「むしろ、新しい環境で自分の力を試してみたい」と思い始めた頃に、CLSAが独自性の高い日本のミッドキャップ企業専門ファンドを立ち上げたことを知り、転職を決めました。

ここへきて日本市場でも投資の動きが再度活発化しているようですが、中さんはこの動きをどう捉えていますか?

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【中】私自身がCLSAに参画したのは2007年だったのですが、その翌年にリーマンショックが起こり、数年間は停滞したムードが漂っていました。しかし清塚も指摘していた通り、アベノミクスが1つの大きな引き金となりました。

金融を取り巻く規制などの諸条件が変わったばかりでなく、それらを通じて投資に前向きになるようなマインド面の変化をもたらしたことがポジティブな変化をもたらしたのだと考えています。私としては現在の状況を3つの特徴で捉えています。

1つは2007年当時に近い水準のレバレッジが可能になってきている点、もう1つは株価が上がったことにより保有者の意識が積極的なものに変化している点、そして3つめが日本に対する海外投資家による投資の動きもまたアクティブになってきたという点です。

これらの変化が絡み合うことで、現在の前向きな気運は形成されていると思います。これらの潮流を地に足のついた活況へとつないでいくことが、私たちには求められているわけですが、CLSAは非常に独自性の高いアプローチで実績を積み上げてきました。だからこそ急速に注目もしていただけるようになったのだと思っています。

ではCLSA内部の役割分担やディールへのアサインメントなどについて教えてください。

【中】CLSAグループ自体はアジアを中心にグローバルに拠点を持ってビジネスを展開していますが、我々が運営するジャパンファンドについて言えば十数名規模の小さな所帯です。それゆえに、ディレクターやシニアバイスプレジデント、バイスプレジデント、シニアアソシエイトなどなどのタイトルはあるものの、これらの肩書きによって役割が明確に分かれているわけではなく比較的フラットな組織です。

原則的にシニアメンバー以上の者ならば全員がディールソーシングに関わりますし、そうしてソーシングした案件が動き出せば、ソースした人間が中心となってチームを編成し、そのチームがエグジットに至る段階まで一気通貫で責任を持って取り組んでいく。これが基本の形になっています。全メンバーに知識やノウハウを活かす機会がありますので、高度な成長を望んでいるような人には理想的な環境ではないかと思っています。

金融の知識やスキルを活用できる点以外に、CLSAならではの利点というのがあれば教えてください。

【中】大所帯の組織で巨大なディールを動かすのとは異なり、基本的に数人単位のチームで案件を動かしていくのがCLSAです。もちろんハードワークとなる局面もあるのですが、かつての私が転職時に望んでいたように「細かに分担された役割しかできないのではなく、多様な役割を担い、経験を積んでいくことができる」という利点がCLSAにはあります。

資金を動かす仕事だけでなく、人を動かす仕事にも関わっていける。これは口で言うほど楽ではありません。ロジックだけでなく感性も問われる。ある種アートの世界でもあるということを身を以て体験する、難しい仕事です。しかしその経験が大きな成長をもたらしてくれる。私はそう考えています。

CLSAはグローカルだ、というお話を清塚さんからお聞きしました。
では、そのグローカルな集団で活躍するには、どんな資質や能力が必要なのでしょう?

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【中】外資ファンドでありながら、非常に日本的な価値観を重視している集団でもあります。だからCLSAはグローカルなわけですが、ではここのメンバーにどんな資質が必要になるのかといえば、「ハイブリッドな人材であること」だと言えます。グローバルな経済情勢を理解しつつ、同時に日本の中堅企業が独自に保有している価値観やこだわりも正しく理解していることが必要です。

対象企業の経営者のみならず、様々なレイヤーのかたがたとコミュニケーションできなければいけません。そこで使われる言葉は業界によって、レイヤーによって、様々に異なりますから、それらをきちんと吸収し、学習して活かしていかなければいけません。

一方で、CLSAの意思決定や投資家とのコミュニケーションは英語で行われます。世界標準のロジックで投資先候補企業の魅力を伝達していけるようなコミュニケーション能力も必要になります。以上のように、多様な意味で「ハイブリッド」であることが求められます。

理路整然と情報を整理し、伝達し、分析する能力とともに、泥臭い現場の最前線の「思い」も理解し、多くの関係者を巻き込んで目標に向かって組織のベクトルを合わせていける能力を身につけられる人ならば、間違いなく活躍することができます。

以上のようなCLSA独自の特性を「大変だな」と感じるのではなく、「他では得られない面白さ」だと感じてくれる人がいるのであれば、ぜひお会いして話をしてみたいと思っています。

プロフィール

写真:清塚 徳 氏

清塚 徳 氏
マネージングディレクター(日本総責任者)
滋賀大学経済学部卒業
カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス修了(MBA 経営学修士号取得)

大学卒業後、1985年より三菱銀行(現 三菱東京UFJ銀行)に入行。16年間の在籍期間の内約10年間に渡って、日本や東南アジア諸国でのM&Aアドバイザリー業務や、シンジケートローンアレンジ業務を担ってきた。2001年、カーライル・グループへ転じ、ディレクターとして主に消費財、ヘルスケア、化学、製造業等を中心とした企業のバイアウト投資に従事。そして2006年4月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。中堅企業向けバイアウトファンド「サンライズ・キャピタル」の立ち上げに参画し、そのまま日本総責任者として企業活動全般の統括・指揮にあたっている。



写真:中 俊二 氏

中 俊二 氏
マネージングディレクター
上智大学経営学部卒

大学卒業後、1991 年より三井住友銀行に入行。様々な役割を経験した後、M&Aアドバイザリー業務、コマーシャルバンキング業務を担い、LBO、MBO、PIPEs及びエグジットなどなどプライベート・エクイティの幅広い分野のアドバイザーを務めた。2004年からは同じ三井住友フィナンシャルグループの大和証券SMBC(現 大和証券)に籍を移し、M&Aアドバイザリー業務を引き続き担当。そして2007年10月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。トラステックスホールディングス及びエバーライフへの投資に関与。エバーライフにおいては投資期間中監査役を務めた。



写真:皆川 亮一郎 氏

皆川 亮一郎 氏
ディレクター
神戸大学経営学部卒
公認会計士

大学卒業後、1998年より新日本有限責任監査法人に入社。クライアント企業の会計監査や上場準備のコンサルティングに従事。2006年からは日興シティグループ証券(現 シティグループ証券)へ転じ、投資銀行部門においてMBOを含む各種M&A案件や株式公開等コーポレート・ファイナンスの案件を担った。そして2008年6月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。日本インテグランドホールディングス及びBCNへの投資に関与。BCNでは代表取締役(現任)を務めている。



写真:前田 泰典 氏

前田 泰典 氏
シニア バイス プレジデント
京都大学工学部卒
京都大学大学院工学研究科修了

大学院修了後、2004年より日興シティグループ証券(現 シティグループ証券)に入社。M&Aアドバイザリーや資本市場を活用した上場企業の各種資金調達・新規上場に従事。2009年からはKKRジャパンに転じ、日本における投資案件のオリジネーション及び投資先のモニタリングを担った。そして2011年4月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。エバーライフ及びBCNへの投資に関与。エバーライフにおいては投資期間中取締役営業本部長を務めた。BCNでは取締役(現任)を務めている。

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