馬場さんは2002年の入社と聞きました。どのような経緯で入社を決めたのでしょう? そして、当時のアドバンテッジパートナーズはどのような状況だったのでしょう?
【馬場】もともと「知的にチャレンジングな仕事」というものに携わりたかった私は、「一般企業にいたら容易には触れられないような情報や知見と向き合い、そこから問題解決の答えを出してく」というコンサルタントに魅力を感じ、ベインへの入社を決めました。その後、仲間たちと会社を設立し、ベンチャー企業のインキュベーションなどに携わったのですが、あらためて自分のキャリアを考えようと思った時、ベイン時代の大先輩が設立したアドバンテッジパートナーズに惹かれ、入社を決めたんです。
設立者のフォルソムには、ベインにいた頃から学ばせてもらった縁があり、それもあって創業間もない頃からアドバンテッジパートナーズのオフィスを訪れたりしていたんです。当時は、本当に小さなオフィスで数名が働くような環境でしたが、コンサルティングとは違う魅力をその頃から感じていました。
PEが持っている「コンサルタントとの違い、投資銀行で働くこととの違い」はどこにあるんでしょう?
【馬場】端的にいえば、そこで働く人間の「やりたいこと」の違いだと思います。コンサルタントは、問題解決のための戦略を徹底的に考え抜き、それを伝えることで世の中を変えたいと思っている人に向いています。投資銀行で働こうというのであれば、徹底的に数字、ファイナンスの専門性を突き詰め、数字で結論と結果を出したい人に向いている。
では、私がなぜアドバンテッジパートナーズに入りたくなったかといえば、他の2つに比べ、圧倒的に長い期間に渡り投資先企業と向き合い、最低でも3年とか5年、腰を据えて経営と人とビジネスにコミットしていけるからです。本当の意味で成功に対しコミットしていく仕事。それを追い求めたい人間はPEが最適なのだと考えています。
現在活躍されているメンバーのバックボーンはどうなんでしょうか?
【馬場】設立者は2人ともコンサルティングファーム出身ですが、現場のメンバーのバックボーンは多様です。コンサルタント出身者、投資銀行など金融系の出身者、会計系のフィールドから来た者もいます。アドバンテッジパートナーズの場合、投資前の段階から投資後のバリューアップまで、原則として担当者が一気通貫で見ていきますから、局面ごとに求められる知識やスキルは違ってきますし、企業によって抱えている課題も様々に違いますので、どんなキャリアの持ち主であろうと覚えることはたくさんあります。
しかも、先ほども言いましたが長期にわたってコミットしていきますので、未経験の問題と向き合う場面は絶えません。私自身15年やり続けていますが、毎回、試行錯誤を繰り返しているんです。けれども見方を変えれば、常に成長のチャンスが待ち受けている。それがPEの魅力なのだと思います。
これから参画しようという人には、何が必要なのでしょう?
【馬場】とにかく幅の広い知識、スキル、能力が求められるので、最初からすべてをカバーしている必要はありません。ただ、若い層だとしても何か1つは強みを持っていてほしいと思います。特に数字をハンドリングする力、もしくは多様な人たちを巻き込み、動かしていけるようなコミュニケーションスキルを持っているかたであれば、その後の成長もスムーズになるはずです。
あと1つ付け加えるとすれば、メンタル面に安定性のあるかたが、当社には向いていると考えています。PEが向き合う対象は、必ずしも万全な状況の企業とは限りません。長くお付き合いをする中で、幾度も浮き沈みがやってくるケースも多いので、変に一喜一憂するよりも、ある程度淡々と現実と向き合っていける人が力を発揮します。鈍感力とでも言えばいいのでしょうか、そういうスタビリティを持っている人もまた成長を着実に実現できると思います。
今、実際にアドバンテッジパートナーズへの参画を希望しているかたがたというのは、どのような人なのでしょうか?
【馬場】私が入社した15年前にも、アドバンテッジパートナーズはすでに多くの案件を動かしていましたが、当時はまだPEファンドというものへの理解が社会的にも正しく伝わっていない時期でしたから、ある種やまっ気もあるような人間が、文字通りチャレンジャーのような心境で携わっていました。10年前頃にはPEがある程度知れ渡り、特にコンサルティングファームや投資銀行にいる者から、とがったキャリアとして注目されていました。
では今がどうなのかというと、PE業界そのものに対する正しい認識も浸透しましたし、アドバンテッジパートナーズの場合、着実に案件を伸ばしてもいますから、しっかりと考えた上で入社を考えるかたが増えています。事実、当社は常に多くの案件を抱えていますし、様々な新しい取り組みにも動き出しているので、他では得られないような多彩な経験ができますし、それによって成長スピードも上げていくことができます。金融やコンサルティングの仕事では手に入らないような成長機会を望み、なおかつ投資先企業の成功に本気でコミットできる場を望んでいるのであれば、ここは最適な場だと自信を持って言えます。