コンサルティングファーム パートナーインタビュー A.T. カーニー株式会社 日本法人会長/パートナー 梅澤 高明 氏 (2007.10)

A.T. カーニー株式会社

「Tangible Results=目に見える成果」という目標に 1926年の創業以来、一貫してこだわり続けているグローバル・ファーム。それがA.T. カーニーである。経営戦略を提案するだけのコンサルティングで終わることなく、結果にこだわる姿勢、実行段階の重みを注視する姿勢をどこよりも早く実践してきたファームとしても名高い。長期に亘る信頼関係を数多くのグローバル・カンパニーと結び、継続的なコンサルティングを提供している実績からもその評価の高さは明らかだ。
では、このA.T. カーニーが日本企業および日本市場の今をどう捉えているのか。他ファームとは異なる「求める人材像」とはどんなものか。
2007年4月に日本代表に就任した梅澤高明氏に聞いた。

「人材の多様性、グローバルな組織としての柔軟性から、A.T. カーニに最も大きな魅力を感じた」

A.T. カーニーとはいかなる独自性を持ったファームなのか。その答は、日本法人代表に就任して間もない梅澤高明氏自身のキャリアパスに見ることができる。

もともと梅澤氏は、国内大手自動車メーカーでマーケティング等を担当していた人物だ。より一層の成長を目指して、マサチューセッツ工科大学のスローン校へ留学。MBA取得後に米国A.T. カーニーに入社し、4年間に亘り米国企業に対するコンサルティングに従事。その後、帰国して日本のA.T. カーニーで実績を積んできた。

はたしてなぜ米国でコンサルティングファームに入社したのか。これをまず聞いてみた。

「ビジネススクールで欧米企業の様々なベストプラクティスを学ぶ内に、これをケーススタディを通じた学習だけでなく、自分の目で確認したい、と思うようになりました。同時に、身につけた経営知識やノウハウを存分に活用してみたい、とも考えた。そうした目的において最も適しているのが、米国での経営コンサルティングという仕事だと考えました。」

当時、梅澤氏のもとには、主要コンサルティングファームのほとんどから打診が来ていたという。ではなぜ、その中からA.T. カーニーを選択したのだろう?

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「まず第一の理由は、人材の多様性でした。言い換えると、A.T. カーニーにはファームとしての懐の深さを感じました。面接した他ファームの多くは、新卒採用やMBA取得者採用に偏っており、どちらかと言うとモノカルチャーな集団、人材の多様性に欠ける集団という印象を受けました。ところがA.T. カーニーでは、新卒やMBA採用に加えて、実業界からの中途採用も積極的に行われていました。例えば、自動車メーカーの製造部門VPを経験してからコンサルタントになったという人もいる。現場感を備えた、成果に繋がるコンサルティングを行うためには、実務経験者を含めた多様性のある人材が必要である、と考えていた私にとって、最も理想的なチームを組めるファームと思えたわけです」

懐の深さは採用状況だけではなかったようだ。梅澤氏は面接を受けた時の感覚を続けて語る。

「第二の理由は、グローバル組織としてのフレキシビリティの高さでした。私は、将来は日本へ帰ってコンサルタントとして働くことも想定していたので、そのことを各ファームとの面接でも伝えました。その中で、A.T. カーニーが、私のキャリアプランに最も理解を示し、非常に柔軟に対応してくれました」

梅澤氏はこのとき実感したことがあるという。世界にはいくつもの成功したグローバルファームがある。しかし、"グローバル"とは言うものの、「日本は日本、アメリカはアメリカ」というように、国ごとでバラバラのオペレーションが行われているケースが実は多い。ところがA.T. カーニーは違った。将来、日本のA.T. カーニーで働く可能性に言及するや否や、米国法人の通常の面接プロセスに加えて、日本法人のコンサルタント数人との電話インタビューがすぐにセットされたという。本当の意味でグローバル・ネットワークが有機的に機能しているか、それとも単に世界各国にオフィスがある、というだけなのか、その違いを自身の就職活動で感じ取ったわけだ。

「三つめの理由として、『外国人の私でも戦いうるステージを持っている』のがA.T. カーニーでした。端的にいえば、私が実務経験を持つ自動車産業において、圧倒的な強みを持つのがA.T. カーニーだったのです。決して英語が得意でない私にとって、米国でのコンサルティング活動でも"強み"として活かしうる経験を、最も活用できそうなファームだったわけです」

『成果にこだわるコンサルティング』を実現するための人材の多様性と組織としての柔軟性、本当の意味でのグローバルな連動性......それらを実感したから梅澤氏はA.T. カーニーに入社したわけである。

「これらのポイントが、まさに他ファームと異なる強みと捉えていいのか」と梅澤氏に問うと、「はい」という返事とともに「しかし、それだけがA.T. カーニーの魅力ではありません」という言葉が続いた。

Tangible Resultsを達成するには各コンサルタントの"志"が必須となる

「A.T. カーニーは、プロフェッショナルとしての自分の仕事にかける、強い"想い"や"志"を持った人間の集団です。自分のスキルアップとか報酬の高さなど、利己的なモチベーションだけでコンサルティングの仕事に向かっている人はほとんどいません。もう一段高い目線で、『顧客企業を本当に良くしたい』『それを通じて世の中のためになる仕事をしたい』というエネルギーに満ち溢れています。私自身も、『日本企業が、もう一度グローバルのステージで戦い、勝ち残っていくためのお手伝いがしたい』『これを通じて、日本の復活を後押ししたい』という"想い"で日々仕事をしています」

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こう語った上で、梅澤氏は付け加える。「強い"想い"や、高い"志"を持ったコンサルタントでないと、A.T. カーニーの目指すTangible Resultsは実現できない」のだと。

参考までに、梅澤氏は'99年に帰国し、そのまま日本のA.T. カーニーでコンサルティング活動を継続している。「なぜ帰国したか」の理由を尋ねると、「日本の構造改革の役に立ちたかったから」との答が返ってきた。'97年から相次いだ大手金融機関の破綻、国際社会における日本の地盤沈下...。「日本が大きな危機を迎えている。日本企業の復活の役に立ちたい」と強く感じたからこそ、梅澤氏は帰国を決意し、なおかつその目標を達成できる場として、あらためてA.T. カーニーを選択したのだ。

日本代表に就任し、多くのメディアに抱負を尋ねられた時も、一貫してこう応え続けた。「名実ともに、日本におけるベスト・ファームとなることを目指します」と。A.T. カーニーが日本においてもベスト・ファームになることは、イコール、梅澤氏率いるコンサルタント集団が日本の飛躍に大きく貢献することを意味するのである。

「皆が高い"志"を持つ」こと、しかもそれがグローバルに共通していることを端的に示した事件が最近あったという。

「A.T. カーニーは'06年1月にMBOをしました。それを機に、各国のオフィスで『今一度自分たちの立ち位置を再確認しよう』という動きが、自然発生的に起こりました。コーポレートが指示したわけでもなく、世界各地のコンサルタント達が自発的に議論した内容を後で見てみると、驚くほど共通した価値観が現れていたのです」

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