プロ経営者インタビュー 上田 顕 氏 日本ポップコーン株式会社 代表取締役社長 (2018.12)

日本ポップコーン株式会社 代表取締役社長 上田 顕 氏

プロ経営者インタビュー

上田 顕 氏

2010年代前半に起きたグルメポップコーンのブームを「HillValley(ヒルバレー)」のブランド名で牽引した国内メーカー、それが日本ポップコーンだ。
ブームが去った後、外資系などいくつかの企業が事業縮小をする中で、同社は2015年にアドバンテッジパートナーズ傘下となり経営再建に着手。
2018年2月、前年からCOOとして参画していた上田顕氏が社長に就任し、新たな成長軌道を構築しようとしている。
メガバンクからコンサルティングファームを経て、プロ野球チームの経営に携わったというユニークな経歴の持ち主は、畑違いの領域でどのように経営を実行しているのだろうか。
いつもの20の質問を通じて語ってもらった。

上田 顕 氏
日本ポップコーン株式会社
代表取締役社長
http://www.hillvalley.jp

1984年、神奈川県生まれ。東北大学理学部を卒業後、三井住友銀行に入行。本部法人営業部門で主にグローバルビジネスの支援を行った後、アクセンチュアへ転職。経営コンサルタントとして金融業界を担当後、M&A案件にも携わった。そして2012年、プロ野球チーム「楽天ゴールデンイーグルス」の経営母体である楽天野球団に入社。社長直轄部隊で、マーケティングからチームマネージメントに至る経営マターに従事。2017年、アドバンテッジパートナーズ傘下となった日本ポップコーンにCOOとして参画すると、翌2018年2月には代表取締役社長に就任。現在に至っている。

[1]自己紹介をお願いします

私は子どもの頃から野球に没頭し、高校時代には真剣に甲子園出場を目指してもいました。肩の故障をきっかけに、選手としてプレーする道を断念して東北大学に入学してからも、何らかの形で野球に関わりたい気持ちがあって、楽天ゴールデンイーグルスでアルバイトをしていました。グラウンド整備や選手たちの練習補助をしていたわけですが、2005年に新球団として誕生したばかりの楽天野球団は、起業家として著名だった島田亨さんが社長に就任して手腕を振るっており、非常に刺激を受けました。「いつか自分もプロ野球チームをビジネスの面で支えるような仕事に就きたい」という気持ちが膨らんでいったんです。

ですから就職活動を始める頃には、「球団経営ができる人間になること」を前提にした将来像を描いていました。「まずはお金について学ぶべき」という気持ちから三井住友銀行へ入行したわけです。最初から、まずは3年間という目安を決め、修行のつもりで仕事をしていきました。東京の本部に配属され、管理事務的な仕事もしましたが、主に法人営業の一環でグローバルがらみのビジネスを支援する業務に携わっていきました。結果として、当初想定していた通り3年後に退職し、2011年からは「今度はビジネスについて勉強をしよう」という思いでアクセンチュアに入社し、コンサルタントとして活動することになりました。

正直に明かしますと、アクセンチュアに入ってからしばらくの間は、結果を出すことができず、相当に苦労をしました。それでも何とか知見やノウハウを吸収して、主に金融業界の戦略案件やM&Aディールに関わる案件を担っていったんです。そうして忙しい日々を送っている最中、以前アルバイトをしていた楽天野球団ではトップ人事があり、2012年8月、三木谷浩史さんが球団オーナーに復帰し、球団社長として証券会社出身の立花陽三さんが就任しました。そしてこの機会に、いよいよ私も球団経営の仕事に直接関わりたいと強く思い、転職を決意したんです。

球団が新しいリーダーのもとで大きく変わろうとしていた時期だったこともあり、私は運良く社長直轄の部隊で仕事をさせてもらえることになりました。スポーツビジネスの仕事は、大きく分けてチーム系とビジネス系の2つで成立していますが、当初私は後者のほうを担い、球団の売上や収益を上げるべくマーケティングなどの任務をこなしました。その後、チーム系、つまり楽天ゴールデンイーグルスを強くするための様々な仕事をやらせてもらいました。おかげで三木谷さん、立花さん、そして当時チームの監督をなさっていてその後球団の副会長も務められた星野仙一さんという、強烈なリーダー3人からたくさんのことを学ばせてもらうことができたんです。弱かったチームが優勝までする過程に立ち会えたことも、非常に価値ある体験でした。

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一方、在籍した5年間の中で少しずつ私自身の将来についても考えるようになりました。学生時代から希望していた仕事に就けてはいるものの、30代を迎えるにあたり、自らが経営者になるという道を、それまで以上に意識するようになりました。プロ野球の世界は独特ですから、私が球団のオーナーや社長になることには現実味がありません。もともと経営者になることを考えてもいましたし、あえて野球とは異なる事業会社で経営者になり、そこでまた成長を果たしていけば、プロスポーツという現役期間の短い特殊な仕事に従事した選手たちの受け皿になることだって可能だ、という気持ちもありました。

2017年、様々な気持ちが高まってきたタイミングで、アドバンテッジパートナーズを通じて日本ポップコーンの経営再建に参画できる話をいただき、転身することを決意したんです。

なぜポップコーンの製造販売を営む日本ポップコーンを選択したのか、についてはよく聞かれるのですが、1つは財務から営業、製造に至るすべてを見渡すことが可能な企業規模だったこと。もう1つは日本のポップコーン市場にまだまだ可能性があると思えたこと。そして、もう1つが経営を立て直していく過程にあったということです。企業再生の舵取りを中に入っていって実行するという仕事は、もちろんタフだとは思いましたが、小さな会社を大きくするような立ち位置がもともと好きでした。楽天ゴールデンイーグルスもまさにそういう立ち位置にいましたし、だからこそ優勝するところまで、ともに成長していくことにやりがいを感じることができたんです。厳しい状況にあるからこそ、頑張った時の結果はハッキリと現れる。私はそういう場でチャレンジがしたかったんです。

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