プロ経営者インタビュー 田尻 新吾 氏 ロゼッタストーン・ジャパン株式会社 代表取締役社長 (2013.8)

プロ経営者インタビュー

田尻 新吾 氏

[14]今までに影響を受けた先輩や師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

影響を受けた存在はたくさんありますが、私にとってのロールモデルは誰なのか、という質問ならば丸紅時代の10年上の先輩です。入社当時はまだ「経営者になるぞ」とは思っておらず、私は「とにかくカッコいいビジネスマンになるんだ」と大雑把に考えていました。そうして出会った先輩が、まさに思い描いていた理想像。仕事が出来て、人間性が良くて、カッコいい。単純に「この人みたいになりたい」と思ったり「先輩ならどうするかな」と考えたりすることで、私は成長できたと思っています。

今でもたまにその先輩にお会いしては、新たな刺激を受け、昔の気持ちを思い出しています。若い人たちも、できればこういう具体的なロールモデルを見つけてほしいですね。それだけで思考や行動を起こしやすくなりますから。

[15]キャリアの成功とは「計画的に努力して成し遂げるもの」でしょうか?

それとも、「偶然や人との出会いなど、運が影響するもの」だとお思いですか?

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運や縁は大切です。サマンサやロゼッタストーンとの出会いも運であり、縁だったと思っています。しかし、計画のないところに「運」は運ばれない、というのが私の根本的な考え方です。運命的な人との出会いなんていうものも、ただの偶然を待っているだけでは訪れないと思います。むしろ、「この人のようになりたい」とか「この人にもっと近づきたい」という存在を見つけたら、自力で「出会い」を手にできるように計画し、努力する。それが私のやり方。

まったく違う意図で努力して手に入れた力なのだけれど、それがひょんなことから運や縁を呼び込んでくれることもあります。何もしないで待っていても運はこないのだから、やっぱり行動を起こす、計画を立てることが大事だと思います。

[16]なぜ起業ではなかったのでしょうか?

サマンサにいる頃に、ロゼッタストーンの話が舞い込んで来なかったら、もしかしたら起業をしていたかもしれません。ただ、それは「これは絶対に面白い」と信じることの出来るネタが自分にあれば、の話。当時の私にはそういうネタがなかったし、ロゼッタストーンの話が来て、そこで「面白い」と思ったから今の私があるわけです。今はこの仕事に夢中ですから、起業の可能性など思いもよりませんが、この先、「俺がやらなきゃ」と思える何かが現れたなら、いずれ起業をする可能性はあるかもしれません。

[17]特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

大切にしているこだわりならば数々ありますけれども、信条や哲学というのはありません。興味ある人が掲げるモットーにはとても関心を抱く人間なのですが、自分で信条を持ち、それに従って行動をしたいかというと、それは違う。私自身は、あえて信条や哲学を持たない姿勢でいたいと思っています。

[18]経営者となった今、何を成し遂げたいとお考えでしょうか?

単純明快です。ロゼッタストーンをたくさんの人に知ってもらうこと。ブランドの認知度を90%にはしたい。10人中9人が知っているブランドになるためには、やるべきことはたくさんあります。とにかく「楽しみながら身につく」というこのサービスを、より良いものにしていこう、と考えています。

[19]現在のポジションを去る時、どういう経営者として記憶されたいですか?

社内の人には一緒に仕事が出来て良かったと思ってもらえれば。社外の人に思ってほしいのは「英語ってそんなに難しくないんだね」であり、その結果として「日本のグローバル化に貢献した人」だと記憶されたら最高ですね。

[20]20代、30代のビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

私は20代の時、上司に自分の携わっていたプロジェクトに関する質問をされ、「それは直接の担当ではないのでわかりません」と答えたことがあります。前述の通り、発電案件は多岐に亘るタスクが同時並行で進んでいるので、知らないことも多々あったのですが、後から、その人にとうとうと叱られました。プロジェクトを成功させるために仕事しているのに、まわりで何が起きているか知らなくてうまく行くのか?興味はないのか、と。

この一件をきっかけに、それまでの自分に与えられている事さえやっていればいい、という「やらされてる感」たっぷりの仕事姿勢が一変しました。いろいろなことに首を突っ込むようになり、今までは部分最適でしか物事を考えられていなかったことを気づかされ、また「突っ込んでみたら面白いこと」というのがたくさんあることにも気づきました。

ですから、今の若い人たちにも、多くのことにトライして自分の引き出しを増やしていってほしいと思います。自分で自分に限界を作ったら、損をするのは自分です。「いや、それはどうでもいいです」とか「私の仕事じゃありません」とか言っていたって面白くないじゃないですか。世の中には私たちが知らない面白いものがいっぱいあります。ファッションの仕事がしたかった私は、電力の事業なんてしたくないと思っていましたが、前向きに首を突っ込んでいったら、心から面白いと感じました。

「なんでもやれ」とは言いません。でも、賢そうな顔をして自分がやることを選んでいる人間よりも、何事も面白がって手を出していく人間の方が結果として多くのことを見通せるようになります。そのすべてが、とは言いませんけれど、手に入れた引き出しがいずれ何らかの形で経営者の血となり肉となるのではないか、と私は思っています。

あとは半分宣伝になってしまいますが、世界に興味を持ってください。益々グローバル化していく世の中で活躍していくためには、井の中の蛙では戦えません。

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