現役戦略コンサルタントコラム外資系コンサルファームに向いている人、いない人

はじめに

私は現在、外資コンサルティングファームで働いており、その前職は内資コンサルティングファームで働いていた経験があります。今回はその立場から、コンサルティングファームにおける外資と内資との比較と、それぞれに向いた素質についてお伝えできればと思います。

向いている人、いない人の違い

写真:外資系コンサルファームに向いている人、いない人

クライアントへの価値創出に求められる資質、行動特性という点では「どんな小さなことでも提案を出来るか?」という部分に、外資と内資での顕著な違いを感じています。
当然、内資コンサルティングファームでも、価値創出に向けた提案を日常的にできる方もいます。しかし、そのような方が、社内で一目置かれて(生々しい話ではありますが)出世コースにいる印象はありません。

一般的に内資で評価されやすいのは「クライアントや上長から言われたことを、粛々と取り組む方」です。
一方の外資では「言われたこと以上に更に良くしていく提案」や「前に進めていく提案」こそが積極的に求められているものだと感じます。
更に、提案するだけではなく「各人の考えを"ぶつけて、磨いていく"」行為それ自体を楽しんでいる傾向の方が多いのが特徴です。

例えばですが、メールの文章の語尾にも違いを見ることができます。

内資:「次は、どのように進める方が良いか、考えをご教示頂ければ幸いです」
外資:「次は、〇〇〇という理由からXXXと進める方が良いと考えますが如何でしょうか」

というように、クライアントまたは上司に次アクションを確認する場合においても、ポジションやスタンスを持ってコミュニケーションを行う外資と、先ずは相手に考えを確認するコミュニケーションスタイルを好む内資といった違いを見ることができます。

メールに限らず、普段の会話でも提案していく資質、行動特性の違いを見て取れます。例えば「何を食べたい?」と聞くよりは「昨日、XXでXXだからXXを食べない?」や「どちらの服も似合うから、君が決めたら?」と聞くよりは「どちらの服も似合うけど、俺がXXだから、こちらが好きだな」といった、日常でも価値提案型の動き方の片鱗を見ることができます。蛇足ではありますが、外資ファームでポジションやスタンスをとらないコミュニケーションを行った場合「クライアントがお前のコンサルなんだっけ?」といった厳しい一言をもらう場合もあります。

このポジションやスタンスを持って行動出来るかどうかが外資ファームに向いているか、向いていないかを判断する重要なポイントです。
そして、このポイントが根底に存在していると、実際の行動として「どんな小さなことでも提案を出来るか?」という動き方が可能になります。
つまり「私はポジションやスタンスを持ってます」と言ったり、思いこんだりしても、本当にそうであるかの判断はつきません。しかし、具体的に発揮された行動ベースでは、本当に向いているか、いないかの判断をつけやすくなると考えています。
皆さんも日常のメールを含むコミュニケーション内容を振り返りつつ、向いている、いないの判断をしてみてはいかがでしょうか。

尚、現在出来ていなくても悲観することはありません。これはトレーニングで身につけることが可能な思考の癖です。今から、意識して続ければ必ず身につけることは出来ると考えています。
※ただし、内資コンサルティングファームやコンサルティング業界以外で、若手のうちに前述の行動をとり続けると、煙たがられる存在になるリスクがありますので注意が必要です。

蛇足ですが、内資コンサルティングファームやコンサルティング業界以外では、マネジメントする立場になると、急にポジションやスタンスをとって意思決定していく役割を担わされることが多いです。
この学ぶべきタイミング(学びの吸収率が高いタイミング)と発揮しなければならないタイミングのギャップは、育成の観点における日系企業の抱える大きな課題だと感じています。

最後に

今回は、簡易的に且つ日常の行動から向いている、いないかの判断が出来る観点をお伝えしました。当然、外資ファームへの適性があるかどうかはこれだけで判断できるものではございません。
今回の観点で当てはまらなかったとしても、他観点で当てはまる場合もありますので、あくまで1つの参考として捉えて下さい。
このような、メールや日常的な所作の1つをとっても独特なコンサルティング業界に興味を持たれたのであれば、是非挑戦してみる価値はあるかと思います。

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