現役戦略コンサルタントコラムコンサルタントの出張事情:頻度・行き先・出張時の一日のスケジュールについて

はじめに

コンサルの出張事情:頻度・行き先・出張時の一日のスケジュール

ビジネスのグローバル化、そして社会課題の複雑化に伴い、コンサルタントの役割はますます多様化しています。その中で欠かせないのが「出張」です。コンサルタントにとって出張とは、単なる移動ではなく、クライアントとの信頼関係を構築し、現場の情報を直接取得し、高品質な提言につなげるための重要なプロセスです。

とはいえ、コンサルタントがどれほどの頻度で出張しているのか、どこへ行き、どのようなスケジュールで活動しているのかは、実際に従事していない限り、具体的なイメージを持つのが難しいのも事実です。

本稿では「出張の頻度」「行き先」「出張時の一日のスケジュール」に加え「国内・海外出張の違い」や「出張と常駐の違い」、さらに出張を通じて得られるスキルや成長機会、課題への対応などについても詳しく紹介していきます。

本論

1. 出張の頻度とスタイル

まず、前提として、経営コンサルタントを活用する企業の大半を大企業が占めており、その大企業の本社の大半は東京に本社を持っています。それに合わせ、コンサルティングファームの大半も首都圏に拠点を集中しています。従い、本社との協議においては原則出張が発生することはありません。実際、筆者が所属するファームにおいて、入社してから一度も出張をしたことがない、というコンサルタントが何人かいることを確認しています。

従い、コンサルタントにとっての出張というと、地方に本社を置く会社を除けば、現地や現場を訪問する機会を意味することが多いのではないでしょうか。

また、出張頻度は担当する業界やプロジェクトの性質によって異なります。たとえば、前述の通り、首都圏のクライアントがメインであれば、出張ではなく通常のクライアント訪問に留まることが多い一方、製造業の現場を対象としたプロジェクトや自治体案件では、週1〜2回の出張が半年以上続くこともあります。

特にプロジェクトの初期フェーズ(現状把握やステークホルダー調整)では、現地に足を運ぶ必要性が高まります。また、プロジェクト終盤でも実行支援や成果発表のために頻繁な出張が必要になる場合があります。
最近では、オンラインとのハイブリッドで効率化が進んでいるものの、「実際に会って得られる情報の質」や「クライアントとの信頼醸成」の観点から、出張の重要性は依然として高いとされています。

2. 国内出張と海外出張の違い

出張には「国内」と「海外」がありますが、準備・目的・スキル要件などで大きく異なります。
国内出張は、定例会議や工場視察、現場ヒアリングなどが中心です。交通手段は新幹線や飛行機が一般的で、日帰りまたは1泊2日が多く、時間の柔軟性があります。

一方、海外出張は、グローバル市場調査、現地パートナーとのアライアンス交渉、現地法人の中期戦略立案支援、本社で導入したシステムのグローバルロールアウトなどが目的です。ビザ取得、通訳手配、プレゼン資料の英語化など準備負荷が高く、言語・文化の壁も乗り越える必要があります。

グローバルファームにおいては、研修やネットワーキングを目的とした海外出張があることも多いです。オフィス間の交流を促すことによって、グローバル連携を強化したり、お互いのケイパビリティを認識するといったことが目的になります。また、それ以外の例としては、海外大学に通う人材向けの採用イベントで海外出張の一つの機会でしょう。このようにクライアント向けの出張だけでなく、社内向けの海外出張もあります。

3. 出張と常駐の違い

出張は「スポット型の遠隔地訪問」であるのに対し、常駐は「長期的かつ連続的な勤務」を意味します。
出張では効率よく情報を収集できますが、リアルタイムな対応には限界があります。常駐ではクライアントの日常業務に深く入り込むことで、継続的な信頼関係を構築することができますが、自社との調整や時間管理が難しくなることもあります。また、常駐は必ずしも遠隔地だけでなく、首都圏においても多く発生しますので、異なる位置づけとして理解するのが良いでしょう。

4. 出張時の一日のスケジュール

例えば、国内における、定例会とヒアリングをセットにした出張があった場合の一日のスケジュールを示すと以下のようなものが考えられます。

● 7:00 - 出発
新幹線や飛行機で現地へ移動。移動中に会議資料の確認や社内連携を進めます。

● 10:00 - クライアントとの定例会議
進捗報告や課題整理、今後の方向性について議論します。

● 12:00 - 昼食
非公式な場での会話を通じて、信頼関係の醸成やインサイトの獲得を図ります。

● 13:30 - 現場視察やヒアリング
業務フローの確認や社員との対話から、机上では得られないリアリティを収集します。

● 15:30 - チームで振り返りと情報共有
仮説の修正や次回に向けた準備を行います。

● 17:30 - 帰路にて議事録・報告書を作成
即日社内外へ共有するのが一般的です。

出張では通常よりも移動に時間がとられてしまうため、どうしても出張先でのイベントを詰めざるを得ません。また、同じく出張の成果を確認することが重要になります。

5. 出張を通じて得られるスキルと成長機会

正直、出張においてのみ得られるスキルや成長機会があるとは考えにくいものの、いくつかの経験は、コンサルタントとしての成長に寄与するかもしれません。限られた時間で成果を出すタイムマネジメント能力、初対面の相手とも関係を築くコミュニケーション力、予期せぬトラブルにも対応できる柔軟性など、出張は"実戦"の連続です。

また、多様な業界・地域を体験することで、思考の幅が広がり、戦略的視座が養われます。特に若手にとっては、現場から得られる一次情報を通じて、理論だけでは得られない実務感覚を身に付ける貴重な機会となります。

個人的に感じるのは、コンサルタントが自身やクライアントのオフィスだけで見聞きする世界は世の中の(非常にわずかな)一部でしかない、ということです。本社で練られた戦略や構想が、いかに現場で実行しうるものなのか、実際に出張において現場や担当の方のリアルを見ると、改めて考えさせられるケースはいくつもあると思います。

6. 出張の未来とデジタル化の影響

近年、テクノロジーの進化により、出張という働き方にも変化の兆しが見え始めています。特にオンライン会議ツールや共同作業アプリの普及により、物理的な移動を伴わずに遠隔での意思疎通が可能となり、出張の必要性を見直す企業も増えてきました。一昔前は、1時間の打合せのために、往復8時間をかけて出張する、ということもありましたが、そうした出張は今後減っていくことでしょう。

しかしながら、対面で得られる情報の深さや信頼関係の構築力は、デジタルコミュニケーションでは代替しきれない価値があります。

将来的には、VR(仮想現実)やMR(複合現実)技術の発展により、バーチャル出張という形も現実味を帯びてくるでしょう。すでに一部業界では仮想視察や面談の実証実験が進んでいますが、暗黙知や"空気感"は現場に行くことでしか得られないと考えられます。

終わりに

コンサルタントの出張は、単なる移動ではなく、情報収集・信頼構築・価値提供のための重要な行動です。テクノロジーの進化とともに出張の形は変わりつつありますが、「現場に行く」ことの価値は、これからも変わらず残り続けるでしょう。

特に、経営コンサルタントにとって、現場・現物を見て、現実を正しく認識することは非常に重要です。机上だけで生まれる戦略では、クライアントの会社を適切な方向に導くことは難しいでしょう。
出張という、それほど多くない機会をうまく活用し、自身とクライアントの糧にしていくことが求められます。

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