現役戦略コンサルタントコラムコンサル中途採用でつまずきがちなポイントと対策

はじめに

写真:コンサル中途採用でつまずきがちなポイントと対策

最近、コンサルティングファームの中途面接で志望動機すらしっかりと筋道のたった説明が出来ない方が多くなってきた印象を持ちます。
以前であれば、コンサルティングファームへの中途面接にやってくる候補者は、有名なケース面接(フェルミ推定、等)の練習を徹底的に行ってきた方が多かったのと対照的です。
ひどいパターンだと、コンサルティングは何をするのですか?といったレベルの質問を平気でしてしまう候補者にすらたまに出会うような状況です。
こうした現象の主な原因には、コンサルタント採用市場の状況の変化と、コンサルの労働環境の改善という2つが考えられます。

私がコンサルティングファームへ転職した当時との比較で考えると、安定的で処遇の良い企業へ転職する感覚でコンサルティングファームへ応募されている方が増えています。
当時であれば銀行や総合家電メーカーなどのイメージに近いと感じます。
面接で志望動機を聞いても、
●戦略を考えたいから
●今の企業だと若いうちに大きい事業に携われないから
●将来経営者になりたいから
といったような紋切り型の回答をよく聞くようになりました。

更に、現状は風向きが変わってきましたが、昨今まで続いたDXバブルによるコンサルタントの大量採用ブームの影響も考えられます。
企業の需要に応えるために、ほとんどの転職エージェントは有名なスカウトサイトを利用して応募者を集めてコンサルティングファームへ紹介する事態にまでなっていました。もしかしたら、皆さんもスカウトサイトでエージェントからメールが届いた経験があるかもしれません。
その結果「良くわからないけど進められたのでコンサルティングファームへ応募し、面接の場面で転職エージェントに仕込まれた紋切り型の回答をする」という流れが加速しているようにも感じます。
また、以前よりコンサルティングファームの認知度が向上し、働き方も改善してきました。
応募者自身も「もし合格すれば安定的で処遇が良いのでラッキー」という感覚で気軽に応募しているようにも感じます。

今回は、昨今の中途採用市場で課題として急浮上してきたつまずきがちなポイントとして、ケース面接の練習以前の段階となる志望動機への対策についてお話しできればと思います。

なぜ志望動機を気にするのか

そもそも、地頭力といった単語が使われ、かけた時間よりも成果と言われてきたコンサルティングファームはなぜ志望動機を気にするのでしょうか。
ケース面接に対応できていれば問題ないのではないかと思われるかもしれません。

これには明確な理由があります。
コンサルティングの仕事は比較論として労働時間は減ってきたと言われるものの、業務時間のほとんどは地道なタスク遂行に時間を費やします。
調べて、考えて、整理・分析して、討議して、示唆を出す。そして結果を資料化する......地味な作業の繰り返しです。
役員の前でプレゼンをしているキラキラしたイメージのある時間は、ほとんどありません。また、そういった経験なく業界を去る人も多くいます。

そのため、日々の大変で地道な仕事を遂行する上で志望動機が緩いと、入社後すぐに諦めたり、踏ん張れずに離職したり、メンタルダウンしたりするケースが多いと、コンサルティングファームは学習してきました。そのため、一定の理解と覚悟を持つ候補者を志望動機から見極めたいと思っています。

志望動機を考えるポイント

それでは一定の理解と覚悟を持っていそうだと、どのような観点で面接官は判断をしていくのでしょうか。それは情熱的にプレゼンするといった態度や勢いというより、キャリアストーリーの一貫性に基づく志望動機内容への納得度で判断しています。つまり、志望動機を語る上でのポイントは、

「なぜ、今の会社にいるのか?(=今の会社で何をしたかったのか?)」
「なぜ、このタイミングで社外のポストを探しているのか?(=社内だと難しいのか?)」
「なぜ、転職先としてコンサルティングを志望するのか?(=他業種では実現できないのか?)」
「なぜ、ファームの中でわが社なのか?(=業界内でのファームの特徴を理解しているか?そしてわが社で何をしたいのか?何を貢献できると考えているのか?)」

の4点に集約されます。
面接官の質問のパターンとしてこの4つを分解して聞いてくることもあれば、そうでない場合もありますが、どちらにせよこの4つを充足し、キャリアストーリーとして一貫性をもって語ることが求められます。

最後に

もちろん志望動機がしっかりとしていても、肝心のケース面接が良くない場合は落ちます。
ただ、昔より志望動機の時点でつまずいている応募者が増えているのも事実です。
本記事を通じてコンサルティングファームへの転職が皆さんのキャリアにとって役立つかを再考する機会になればと思います。

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