現役戦略コンサルタントコラムコンサルがジェネラリストとして成長するために必要なこと

はじめに

写真:コンサルがジェネラリストとして成長するために必要なこと

どのコンサルタントも一定のコンサルタントとしてのベースと特定領域での専門性の二階建てでケイパビリティが構成されています。前半のベース部分でよく取り上げられるのが、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった思考法から、エクセルを駆使した分析能力や分かり易く概念を整理するパワーポイントを使いこなすスキルといったことを指します。

また、後半の特定領域とは、自動車やエネルギーといった産業、サプライチェーンやファイナンスといった機能、中国・中東といった地域、サステナビリティや2Dプリンターといったテーマのどれかを指します。そして、この特定領域に強く、経験が豊富な場合はエキスパートタイプのコンサルタントとして周りに認知されていきます。

一方、特定領域における知見や経験を持っていたとしてもジェネラリストタイプのコンサルタントと認知される場合もあります。よく特定領域に対する知見や経験がないタイプのコンサルタントをジェネラリストと呼称することがあります。しかし、実際は特定領域に対する知見や経験の少ないコンサルタントはパートナーに近くなればなるほどいなくなります。現実問題として、特定のエッジが認知されないと、ファーム内での連携が少なく、またクライアントからの声掛けもあまりなくなることにより、十分な額を稼げなくなるためです。なお、もっと生々しい話としてはある程度の数のプロジェクトは手慣れた領域でないと、非常に疲れてしまうという事情もあります。

ジェネラリストとは

それではジェネラリストとはどのようなコンサルタントのことを指すのでしょうか。色々と人によって異なる見解はありますが、私は「どんなイシューであっても、特定領域の専門性の保有有無に限らず解けるコンサルタント」がジェネラリストであると考えています。つまり、コンサルタントとしてのベースを極めた専門家が、ジェネラリストと言い換えることが出来ると考えています。

例えば、コンサルティングファーム以外の企業に転職をした時に思考法やスキルは圧倒的であると評されることが多々あります。それはコンサルタントのベースに対する専門家であるからだと言えます。そのため、コンサルタントを採用したけど微妙だったという声も聞くこともあります。よくよく聞いていると、「当事者意識が低い」「リードする力が弱い」といったコンサルタントの専門性とは異なる点を挙げる方が多いです。改めて強調したいのが、コンサルタントは何でもできるスーパーマンではなく、コンサルタントのベースに対する専門家であるから、過剰な期待をしてもよくないということです。

ジェネラリストとして成長するには

ジェネラリストとしてどんなイシューでも対応して、解くことが出来るコンサルタントを見ていると、大きく3つの特徴を有している場合に成長をしていると、私の経験では考えています。

1つは高いメタ認知能力となります。具体的な事象を抽象化して更にその背景を考えていく。なぜこのような事象が生じているのかを深く考える力です。解き方・アプローチを考える、学び方を学ぶといったことを通じて、未経験の分野であったとしても成果を創出する再現性を担保しているのではないでしょうか。

2つ目は規律と訓練への拘りです。よく言われるのが「才能×訓練=スキル」、「スキル×訓練=成果」という式です。いくら才能があったとしても訓練されなければスキルも身につかないし、成果も創出されません。非常に小さな話をすると、パワーポイントにおけるインデントの設定や複製の仕方といった一つ一つの操作方法も洗練されています。結果、その積み重ねにより創出した時間が知的なことを考える付加価値の高い時間を確保することとなり、人よりも早くキャッチアップしたり学んだりすることを実現します。つまり、ジェネラリストとして未経験の分野でもすぐに解けるベースが整ってくることになります。

そして最後は知的体力の有無となります。先ほど、生々しい話として「ある程度の数のプロジェクトは手慣れた領域でないと、非常に疲れてしまう」とお伝えしました。まさに年齢を重ねると新しいことを知るという行為それ自体に体力を必要とします。若い方であってもそういうコンフォートゾーンに留まるコンサルタントも散見されます。しかし、このコンフォートゾーンからの飛び出しが出来るか否かがジェネラリストとして成長できるかの分かれ道となります。

最後に

最近のコンサルティングファームの成熟化と拡大により、専門性の表現もエネルギー分野の専門家という表現ではなく、エネルギー分野におけるクリーンエネルギーのグリッド・配電分野の専門家というように、細分化されてきています。そのため、大きなファームに転職すると、その転職したファームが戦略ファームと言われていたとしても、ジェネラリストとして成長機会は少なくなってきたと聞きます。

非常に難しい話ですが、クライアントとしてみても経営のことを丸ごと相談できるコンサルタントは少なくなり、特定領域の特定イシューについてそれぞれの専門家と付き合うような行動に変容をしてきました。結果、コンサルティング成果のサイロ化といった事象も見られています。

そういった状況だからこそ、改めてジェネラリストとして成長するポイントをお伝えしたいと思いました。皆さんにおいてもジェネラリストとして成長を目指すコンサルタントに興味を持ったのなら、ぜひ挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

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