現役戦略コンサルタントコラム独特なコンサルティング業界用語をわかりやすく解説2

はじめに

写真:独特なコンサルティング業界用語をわかりやすく解説

前回の「独特なコンサルティング業界用語をわかりやすく解説」では、各ファームにおいてあまり意味合いとして異なっておらず、業界共通の意味合いで使用されている用語を中心にお伝えしてきました。

その理由は他業界からコンサルティング業界に転職した際、所属するファームに関係なく、独特な用語の意味合いを理解し、円滑にコミュニケーションが出来るようになって欲しいという想いがありました。用語の意味合いが分からないことで、戸惑いから萎縮する気持ちを抱き、立ち上がりが遅くなる、或いは馴染めない違和感を抱えたまま業界を去っていくことはあまり良いことではないと考えています。

一方で、その理由からか、取り上げた用語はコンサルティング業界以外で使用される用語を横文字に直した用語が多くなり、「"なんちゃって英語"を独特に使用するのがコンサルタント」という間違った印象で受け取られたかもしれないとも、懸念を抱いています。

その為、今回は一歩踏み込んだ独特なコンサルティング業界用語をお伝えしたいと考えています。用語として取り上げる軸(この「軸」という表現も独特ではありますが・・・)としては、厳密には異なる意味の用語であるものの、現実場面では違いをあまり意識しないことの多い用語となります。

「あまり意識しないことの多い用語」は非常に悩ましい存在です。明確に意識して使い分けているコンサルタントも存在する為、常に文脈や、その用語を使用するコンサルタントのタイプに基づき、違いを意識して用語を使用しているか否かを判断が求められます。結果、上長や周りとのコミュニケーションに齟齬が生じる可能性もあるので、気を付けたい用語となります。

独特なコンサルティング用語

OI (Opportunity Identify。オーアイ) / BD (Business Development。ビーディー):

使用例:
・「最近、景気が悪くなってきているし、銀行向けのOI活動強化しようか」
・「クライアントからXXに困っているって問い合わせが来てるのでBDチーム組もうか」
マーケティング活動、並びに営業活動を指します。ファームや個々人により若干定義は異なりますが、大きく分けて「OIフェーズ(困りごとの機会がないかを探索)→BDフェーズ(コンサルティングとしての支援可能性を提案)」と定義を分けることが出来ます。しかし、現実場面ではコンサルティングファームにおけるマーケティング活動、並びに営業活動と覚えておけば間違いなかと思います。

インサイト (Insight) / PoV (Point of View。ピーオーブイ):

使用例:
・「調査を通じて、どんなインサイトが出たの?」
・「本産業の将来像を考える際のPoVは?」
これまで気付いてなかったような「ハッと」させる価値ある視点や観点のことを指します。これもファームや個々人により若干定義は異なりますが、インサイトは「In」と「Sight」に分けると分かり易いと思いますが、クライアント自身が抱える潜在的なニーズやモヤモヤする考えをクリアカットにしてあげるニュアンスが強く、PoVはクライアント自身も気付いていなかった思考の観点や考え方を提供するニュアンスが強いのではないかと思います。しかし、現実場面では内部レビューの際に調査結果のみを提示したり、当たり前の情報を整理したりしていると、シニアクラスから「で、インサイトないの?PoVは?(付加価値ないね?何しているの?)」というフィードバックの言葉として使われることが多く、厳密にニュアンスを使い分けることは少なくなります。

オファリング (Offering) / ソリューション (Solution):

使用例:
・「XX業界向けのオファリングを開発しよう」
「このプロジェクトをベースにソリューション化を出来ないかな?」
クライアントへ提供するコンサルティングサービスのことを指します。基本、「Why:なぜ今、この取り組みが必要なのか?」「What:何を達成する取り組みなのか?」「How:どう取り組んでいくのか?」で構成されています。これもファームや個々人により若干定義は異なりますが、オファリングがWhy・Whatに価値を感じてもらう内容として取り纏められている一方、ソリューションはWhat・Howに価値を感じてもらう内容として取り纏められている傾向にあります。その為、オファリングはコンサルティングサービスとして提供する場合に、クライアントにあわせてカスタマイズして提供する一方で、ソリューションはアプローチやアウトプットフォーマットまで決まった定型的なコンサルティングサービスの提供することが多いのではないでしょうか。どちらにせよ、現実場面では商品開発をしようといったニュアンスで使われることが多く、厳密にニュアンスを使い分けることは少なくなります。

最後に

いくつか独特なコンサルティング業界をピックアップしてお伝えしましたが、まだまだお伝え出来ていない用語は色々とあるかと思います。皆さんもご存知の通り、3文字に略された横文字も日々新しく用語として生まれ、消えています。このような変化し続ける独特なコンサルティング業界に興味を持たれたのであれば、是非挑戦してみる価値はあるかと思います。

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