ブラックストーン 東洋経済新報社 (2012.01.31)
「ブラックストーン」(東洋経済新報社)を読んだ。
これは小説より面白い!
ブラックストーンの勢いは凄まじく2011年の保有資産残高は1576億ドルで
間もなく160億ドルを上回る新たなファンドを立ち上げると聞いていたので大変興味があったのだがこれは単にブラックストーン社の歴史ではなくPE業界の歴史そのものである。
当然KKR、カーライルなどについても書かれており彼らの本当の姿を見ることができる。
個人的に興味深かった点は
●会社を設立しファンドの組成を初めても1年間はほとんどお金が集まらなかった。
初期の大口投資家として日興証券を始め東京海上など三菱系が大きくサポートしたこと。
●ブラックマンデー、99年後半のITバブル崩壊、08年のリーマンショックに端を発した世界不況と大きな苦境と投資の失敗を乗り越えて今のブラックストーンがあること。
●大きくレバレッジを効かす、買収後企業グループを解体し、資産を売却、短期間で莫大な利益を出すということは難しくなり事業を本質的に改革することで企業価値を高める「価値創造」が重要になっていること。
また、新たな発見は
●彼らの投資失敗からの学び:
1、景気に左右される市況産業にはカネを出しすぎない。
2、野心的な再生計画を持たないこと。
3、大胆な経営改革が必要な時には自分たちがつくるのではなくベテラン経営者かコンサルタントに計画を作らせること。
●バイアウトとVCの違い:
バイアウトの投資家として成功するには病的なな管理主義者であることが必要。
よいシナリオ、悪いシナリオを徹底的に分析し投資先が破綻しないか、次にどうすれば価値を高められるかを見極めなければならない。
キャッシュフローが最も大切で企業を調べ上げ精緻な分析をすることこそファンドの投資である。
一方VCははるかに予想ができないため情熱が必要だ。その企業の可能性、社会的意義への信念である
●PEへの誤解:
ハーバードビジネススクールやムーディーズの調査によりPEに対するいくつかの評判が正しいものでないこと裏付けている。
リストラ:投資先企業は買収直後の4年間で同じような規模の公開企業より雇用を増加させている。
短期売買:2年以内に売却されるケースはわずか12%。58%のケースは5年以上の保有。
研究開発投資の絞り込み:成功する見込みの高い製品や事業に集中している。
投資失敗による倒産:70年から07年までの3回の不況でデフォルト率を比較するとPE投資先が高いというわけではなかった。
PEの利益はレバレッジ等による財務面での工夫、投資のタイミング、新たな企業戦略、合併や事業売却、業務の合理化の組み合わせである。
優れた金融技術と経営改革力を組み合わせて企業が成長のステージを上がっていくのをサポートしている。
と論じている。
日本に根付かくどうかは今年が正念場ですね。業界の皆さん頑張ってください。
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